生駒市の救急体制と新病院
本日報道された生駒市での悲しい出来事に心を痛めています。
報道によれば、3月21日午後1時40分頃、毎日新聞販売店で急性心筋梗塞の既往をもつ従業員が倒れ、生駒市消防本部に救急搬送の要請がされました。救急車は約5分後に到着しましたが、間もなく心肺停止状態となりました。
救急隊は心肺蘇生を行いながら、生駒市内や隣接する奈良市内の6医療機関に受け入れを要請しましたが、すべての医療機関が受け入れることが出来ない状態であり、結局午後2時40分頃に大阪府大東市の野崎徳洲会病院に搬送され、午後3時10分に死亡が確認されました。(毎日新聞、朝日新聞、読売新聞、TBSニュース)
私が、専門委員会を通じてかかわり新病院の開設にむけ、協力をしてきた生駒市で、このような出来事が起きたことを大変悲しく思います。
現在、生駒市の病院開設への手続きは、病院開設申請に不可欠な病院設置条例の設置が市議会で継続審議となり、止まっていると聞きます。条例の設置は市議会のみが決する権限をもっているのですから、私としては継続審議であろうと廃案であろうとそれは市民の代表者である市議会の判断で尊重されるべきものと考えています。
しかし、現実に、市内のみならず隣接する奈良市にある医療機関でも救急受け入れがされず、他府県に搬送され死亡が確認される出来事が生じる地域の状況下で、病院開設申請の前提として医療の充実が必要であるとの認識があるにもかかわらず、病院開設申請に不可欠な病院設置条例が市議会で継続審議となり、事実上手続きの進行が停止していることは、患者の生死に係わる医師の一人として奇異に感じざるを得ません。この感覚は、生駒市市民の一般的感覚から解離しているのでしょうか?
救急医療や小児医療をはじめとする医療機能の充実を生駒市民が望んでいるのであれば、生駒市議会で速やかに病院設置条例の審議がされ結論が出されることを祈ります。
以下参考に、今までの経緯について概要を記します。
生駒市では、国保連 生駒総合病院が廃院となり、この病院が担っていた医療機能が失われました。この結果、救急医療、小児医療などを中心とした医療が不足する状態となったため、生駒市が病院を整備しようとしています。新病院の必要性は、地元の医師会からも病院設置の要望が出されるなど、認識されていました。現在、病院は、土地の手当てが可能となり、指定管理者の公募では徳洲会のみが公募に応じ具体的な開設へ向けての準備が進んでいます。病院開設のために必要な事前協議書が奈良県に提出され、奈良県医療審議会で病床配分について専門的意見を求める手続きに入りました。
このころ、医師会からは生駒市の医療機能で不足は小児の医療のみであるとの意見がだされました。また、奈良県医療審議会では、生駒市立病院への病床配分を認めませんでした。
奈良県医療審議会の議論をもふまえても、なお奈良県は生駒市からの市立病院設置について必要性を認め、必要な病床配分を認める方針を示しています。
今後、実際に新病院の開設申請をするためには、生駒市で病院設置条例が設置される必要があります。この病院設置条例案が市議会で審議されたところ、継続審議とされ、現在審議が止まった状態になっています。
(関係する、市、市議会、生駒市医師会、奈良県医師会、県、奈良県医療審議会などでの議論、主張などは、各種の資料がWEB上にありますのであえて、ここではまとめることはいたしません。)
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